OCT検査|茨木市白川のくぼた眼科 緑内障 加齢黄斑変性

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OCTは" optical coherence tomography " の頭文字です。
光干渉断層計《ひかりかんしょうだんそうけい》といいます。

OCTという診断機器は眼科領域の検査機器において非常に重要な役割をしており、機器の登場とともに診断法、手術適応、経過観察の方法にも革新をもたらしたと思っています。
発売早期は保険適応がございませんでした。しかし現在は健康保険適応の検査となっています。

OCT検査は、高齢化社会において生活に必要な視力を維持させるために「加齢黄斑変性症」や「緑内障」の早期発見・診断・治療に不可欠な検査ディバイスになっています。
以前は、大学病院など一部の医療機関にのみしか設置されていませんでしたが最近では多くの眼科クリニックでも設置するところが多くなってきています。
多くの疾患がOCT検査によって被験者である患者さんに侵襲が少なく診断できるようになりました。いくつか疾患をあげますと「緑内障」「加齢黄斑変性症」「網膜中心静脈閉塞症」「網膜静脈分枝閉塞症」「中心性漿液性網脈絡膜症」「糖尿病網膜症」「黄斑前膜」「黄斑円孔」「新生血管黄斑症」などで他にも多くの疾患があげられます。

当院に設置しているOCTはNIDEK社のRS-3000Advanceです。現時点で(H27.1)最新式の機器です。旧式の機器に比べると検査時間が大幅に短縮することが可能となりました。
検査結果の解像度もより高く正確な診断をするのに大変活躍しています。

Q1.
通常の眼底写真検査との違いは何?

A1.
全く違うものと考えてもらっていいです。眼底写真は眼底出血の有無、出血量を正面から見るのにすぐれています。OCTは網膜の厚みを定量することが可能です。網膜厚を測定できることで様々な疾患で起こる網膜の浮腫(特に黄斑浮腫)の状態を一見して確認できるようになりました。

Q2.
緑内障の検診って眼圧を測るのではないですか?
なぜOCT検査が必要なのですか?

A2.
以前、緑内障は高眼圧(22mmHg以上の人)の方のみがなると考えられていました。しかし10年以上前から眼圧が高くない人にも緑内障が起こる(低眼圧緑内障もしくは正常眼圧緑内障)ことがわかり眼圧測定のみではなく視神経乳頭陥凹拡大という眼底検査の重要性が指摘されました。さらに現在では緑内障を起こしている網膜は網膜神経束欠損といって網膜が薄くなっていることがわかりました。網膜厚の測定と同時に正常眼データベースとの比較できるプログラムがあり緑内障の有無を他覚的に診断可能となりました。

Q3.
加齢黄斑変性症の検査になぜ有効な検査なの?

A3.
加齢黄斑変性症は網膜色素上皮と言って網膜の裏側にまず異常がおこる疾患です。通常の眼底カメラでは確認できないような眼球後方の異常を調べることが可能です。また眼底出血を生じる原因となる新生血管も描出が可能であり患者さんにとっては侵襲少なく受けて頂けます。

Q4.
加齢黄斑変性症の経過観察中です。
OCT検査は受けた方がいいですか?

A4.
もちろんその通りです。浸出型加齢黄斑変性症の治療薬として抗VGEF薬の硝子体内注射がされるようになってきました。治療効果の判定には矯正視力検査とOCTによる網膜下にある新生血管の状態を確認することが必須です。自覚的な視力検査と他覚的な検査のOCT検査の両面から検査しなくてはなりません。

Q5.
OCT検査をするには散瞳が必要ですか?

A5.
必要でないことが多いです。眼底検査を受けたことのある患者さんなら経験があると思いますが、検査用の点眼をします。30分程度待ち瞳孔を広げた状態にしてからする検査を散瞳検査といいます。検査終了後も4時間程度まぶしさが続くために検査後自動車の運転ができないなど不自由なことがあります。散瞳しなければ水晶体の全体像や周辺部網膜の状態は確認できませんがOCT検査は多くの場合散瞳をしなくても検査が可能です。

Q6.
OCT検査はいくらぐらいするのですか?

A6.
OCT検査のみであれば平成27年1月現在200点(1割負担であれば窓口支払いは200円です)



左の写真を見て下さい。「網膜静脈分枝閉塞症」による眼底出血です。
上は通常の眼底写真で、眼底出血を起こしていることがわかりますが、下のOCTによる検査をすることで左半分(眼底では上半分)に網膜が浮腫を起こしていることが簡単に診断できます。
通常は蛍光眼底検査をしなければ浮腫の有無はわからないのですが、この検査機器があることで患者さんは負担が少なく検査を受けることができます。