コンタクトレンズ装用者は2013年現在1500万人以上と言われています。この20年で特にソフトコンタクトレンズは目覚ましい進歩をとげてきました。ガス透過性ハードコンタクトレンズ以上の高酸素透過性のソフトコンタクトレンズ(シリコーンハイドロゲルレンズ)や乱視用ソフトコンタクトレンズ、遠近両用コンタクトレンズなど ユーザーが増えれば増えるほど、ユーザーニーズにこたえられるようにメーカー各社がより「よく見える」「装用感のすぐれる」「目に対する安全性の高いレンズ」を開発してきました。
レンズの性能(スペック)が良くなったとしても、残念ながらレンズに伴う眼障害は減っておりません。
コンタクトレンズケアの重要性について動画にしましたので、ぜひご覧ください。
レンズの性能(スペック)が良くなったとしても、残念ながらレンズに伴う眼障害は減っておりません。
コンタクトレンズケアの重要性について動画にしましたので、ぜひご覧ください。
1980年代~1995年までソフトコンタクトレンズには「使い捨てレンズ」というものがなく、1年~1年6か月など長期間にわたってケアをしながら使っていました。主に使われていたのは煮沸消毒と呼ばれている高価な商品でした。煮沸消毒は滅菌ですので消毒効果は非常に高かったのですが、汚れの成分であるタンパク質が変性してしまいレンズが変形してしまうなどのトラブルが絶えませんでした。しかしきっちりと消毒はできていました。
1995年に初めてオプティフリーが発売されました。今まで高額な煮沸器が必要でしたが、初期費用も抑えることができるようになりました。レンズも使い捨てレンズが主流になってきて気軽にレンズを始めることが可能になりました。眼科医も「つけおき消毒ができる!」と思い、こぞって消毒方法を切り替えていきました。
煮沸消毒に対して多目的用材とよばれるMPS( Multi purpose solution)をコールド消毒と呼ばれているのは煮沸消毒に対する言い方です。
1995年に初めてオプティフリーが発売されました。今まで高額な煮沸器が必要でしたが、初期費用も抑えることができるようになりました。レンズも使い捨てレンズが主流になってきて気軽にレンズを始めることが可能になりました。眼科医も「つけおき消毒ができる!」と思い、こぞって消毒方法を切り替えていきました。
煮沸消毒に対して多目的用材とよばれるMPS( Multi purpose solution)をコールド消毒と呼ばれているのは煮沸消毒に対する言い方です。
しかし、利便性を追求したケア用品には問題点がありました。それはMPSと呼ばれるものは「こすり洗い」が必ず必要であるということです。
MPSのきっちりとした使用方法は、
MPSのきっちりとした使用方法は、
1)外したレンズの表面・裏面ともに15回ずつ「こすり洗い」をしなければなりません。
2)15秒以上すすいでレンズケースで4時間以上つけおきをします。
3)翌日レンズを装着した後はレンズケースを水道水ですすぎ必ず乾燥させます。
2)15秒以上すすいでレンズケースで4時間以上つけおきをします。
3)翌日レンズを装着した後はレンズケースを水道水ですすぎ必ず乾燥させます。
実にMPS使用者の90%以上がこの手順を守ることができていません。
また使用方法が間違っていることを知らずにいる人が多いです。そのためソフトコンタクトレンズユーザーで角膜感染症を起こす多くの患者はMPS使用者です。
また使用方法が間違っていることを知らずにいる人が多いです。そのためソフトコンタクトレンズユーザーで角膜感染症を起こす多くの患者はMPS使用者です。
MPSの代表的な商品
オプティフリー、レニュー、コンプリート、バイオクレン、ソフトワンクールなど
例えて言うならば、MPSは洗剤です。手を洗う時を思い出して下さい。汚れた手を洗う時に石鹸につけておくだけではダメなことはすぐに想像がつきますよね。
それと同じで、きれいに洗浄ができれば細菌はでませんよ!という考え方がMPSとよばれる洗浄保存液です。
それと同じで、きれいに洗浄ができれば細菌はでませんよ!という考え方がMPSとよばれる洗浄保存液です。
当院では、レンズケアについてまず過酸化水素(クリアケア)もしくはヨード製剤(ファーストケア)をおすすめします。これらは、MPSに比べると圧倒的に消毒効果が強いです。いかにコンタクトレンズの酸素透過性が改良されていい商品になったとしても一番怖い眼障害が消毒不足による「角膜感染症」であるという認識を常に指導していくように心がけて診療しております。
しかし、MPSの使用に慣れている人に対して種類を変更してもらうためにはこちらも努力が必要です。感染症のリスクのこと、消毒効果の違い、使用方法などをきっちりと説明しています。
以前ブログにも書いたことがありますのでご参考にされてみて下さい。
しかし、MPSの使用に慣れている人に対して種類を変更してもらうためにはこちらも努力が必要です。感染症のリスクのこと、消毒効果の違い、使用方法などをきっちりと説明しています。
以前ブログにも書いたことがありますのでご参考にされてみて下さい。